これが一昔以上前だったら 『どうして今ごろになって』とか『生前功績のあった方なんだから』 という声にかき消されて社会全体が忘却の道を選択していた場合もあったのだろうが 今の時代としてはそれを有耶無耶のままで許さない風潮に変化してきたのだろうという個人的な理解をしている。 これは単にジャニー氏ひとりの問題にとどまらず社会全体の受け止め方としてどうあるべきかという意味での重要な岐路でもあるのではないだろうか。 それにしても証言者の方々からの「生々しい声」を一部読んだだけでもジャニー喜多川氏という人物は想像を絶するほどの性的捕食者ぶりだったようだ。 控え目に考えても現役のファン層から後の子供たちの親御さん方が自分の子供に見せたい類の芸能と思わないだろうし影響されたくもないだろう。 流れを汲む芸能事務所は徐々に消滅していくのではないか。 アーカイブの価値も低下するはずだ。
今回の服部吉次氏の告白文を読んで自分のジャニー氏に対する認識の誤った部分をあらためて知らされた。 私はジャニー喜多川氏という人物のことを『単なるアメリカかぶれをしたキザな人』だとばかり思い込んでいたのだがそういう単純なことではなく 彼は実際に日系アメリカ人であり米国籍のもとに朝鮮戦争にも徴兵され従軍までしていた。 つまり彼は高野山の高名な僧侶である父親の籍のもとに日本国籍も保有できていたが戦後の出発点は事実上のアメリカ人なのだ。 ジャニー氏の性加害問題というのは敗戦国である日本が戦後米国に文化的にも従属する流れの中で 『去勢されたような中性的なアイドル観や性の商品化』を ジャニー氏を架け橋として受け入れていった日本社会全体の病巣でもあったのかもしれない。
赤裸々な性加害行為がスッパ抜かれていたようです。 明記はありませんが歌舞伎の舞台は基本的に『男の世界』なので被害者のスタッフさんは皆さん男性の方なのでしょう。 つまり伝統芸能としての歌舞伎の職業的な『女方』ではなくて『ゲイ』としての性的加害行為が日常的だったということです。 性的な嗜好自体に罪はありませんが構造的な『主従関係』を盾にしたパワハラ行為やセクハラというのはもう時代錯誤もいいところなので社会として徹底的に浄化するべきだと思う。 『伝統だから』『体育会系だから』という言い逃れを社会から根絶するくらいの覚悟が必要なのではないだろうか。
一貫性のある企業組織のなかでその不法行為が行われていたのであれば普通に被害者団体を形成して損害賠償すればよいと思う。 「元雇用主だから」「恩義がある」などというくらいなら黙って我慢するのも自由だし中途半端な社会への投げかけで終わらないほうが今後のためだと思う。
実際には「社会が変わってしまう」のではなくて この人物が『自分の保持している社会観を変えたくない』というふうに 読み替えるのが正しい理解だろうと思います。 個人的な「社会通念」の幻想を変えるのは難しいでしょうが逆に社会のほうが先にそのような固定観念の保持者やその所属政党を選ばなくなる可能性は否定できません。 このあたりが『国家の分岐点』になるのでしょうか。
日本はウクライナに兵器を供与したわけでもない。グローバルな世界情勢から欧米社会と協調して「武力による国境線の変更」に異を唱えているだけだ。 じゃあこの人は一体どうしろというのだろうか。 ロシアが北海道まで下りてきて『親ロシア国家』による独立を宣言しても「譲歩して仲良くしましょう」とでも言うのだろうか。
日本人というのは昔ながらの『ムラ社会』の視線をあらゆる社会の枠組みに拡張してアカの他人であっても規制を当てはめようとする世界的に見ても稀有な社会的性格だと思います。 どうしても枠にはまらない場合は、自分の利害が及ばない限りにおいて『黙殺』します。少し前までは『ガイジン』がそうでしたよね。 逆にうまく利用して世論を誘導することも多いです。昔の戦争の時がそうでした。 「ウチのせがれが徴兵されて戦地で苦労してるのにアイツの息子は家でぬくぬくとしてる！」とか、陰口をたたかせて圧力をかけるわけです。 でも大事なことは大元で誰がどのような線引きをして陰で利益を得ているかです。 最近の例でいえば、評価の低いアストラゼネカのワクチンを一体誰がどのような基準で誰を対象に選んだのか考えてみたことはありますか？ はたして医者や議員で使用されたのはどの位の割合なのか明示されているのか疑問が残ります。
『虐待のうえ死に至らしめる』というのは通常の 『カッとなって首を絞めて殺してしまった』という行為より ずっと悪質で罪は大きいはずだと思う。 だが現実の司法判断はそうではない。 もし日本人の思考過程がそうなのであれば大変残念なことだ。 つまり『殺さない程度に人を痛めつけるのであれば大したことではない』 という解釈で社会が成り立っていることになる。 以前はヤクザが人を殺しても胸ではなく腹を刺せば「傷害致死」で数年で出所できたのと同じような理屈だろう。 だから教育現場での暴力も容認されて「死ななければ問題にしない」 職場での暴力も容認されて「死ななければ問題にならないし騒ぎ立てない」 そして究極的には労働に対する見方も同じになって 「死なない程度にコキ使えば問題にならない」ことが横行した結果として 過労死に繋がっていると思う。 根底にあるのは『他人のことなどどうでもよい』という考えだ。
